今年も植え替えにもってこいな季節がやってまいりました。
2023年は雪解けも早く、桜も異常なまでに咲くのが早かった。なので今年の指標はあまりあてになりませんが、私の住んでいる北日本では霜が降りなくなって気温が安定してくると植物の成長が一気に早まるので、その辺りが植え替えに最適な時期です。
外の景色とあわせていくといいですね。桜が散ってきた頃からそろそろ準備を整えておこうかなといった感じ。例年ではだいたい5月~6月が一番生き生きとする時期。植え替えるならそのあたりが、ちょうどいい頃合いです。新緑の田植えの頃が目安かな。
しかし植え替えは毎年必ずしも必要なわけでもないです。
それでもどの観葉植物にも言えることですが、以下のような状態があれば、植え替えを検討したほうがいい可能性が高いです。
そのまま見て見ぬフリはよくない結果にしか待ってません。水やりをどうにかしただけで治ることはまずないので、ちゃんと向き合ってあげるようにしましょう。
一度植え替えをやってみると、普段は見えていない鉢の中の根の状態を観察できるので、思い切ってやってみるのはとても良い経験になります。長く植物と向き合っていく上でも大切なことだと思います。
試行錯誤して生き残らせることができたら、一層の愛着も湧いてくるよね。
一番わかり易い指標は、鉢底から根が出てしまっている状態です。こうなっていると根をはらせる場所を見失っているので、ちゃんと水や栄養を吸収できなくなっていて、葉っぱが黄色くなってきたりします。
水はけが良くない状態が続けば根腐れがおきやすくなっているので、弱々しい茎と葉が出てくるし、しまいにはどんどん葉を落としていって枯れます。
植物の成長具合にもよりますが、だいたい2年おきくらいには植え替えのタイミングかもしれないと思っているとよいです。
でも忙しい日常を過ごしていると、植物を観察しながら丁寧に育てていくのは意外と難しい。わかっちゃいるけど、どうしていいかわからないから放置しちゃう。
そこを痛感していたので、今回の植え替えのタイミングのついでに「自分なりの観葉植物の育て方」について今一度見直してみることにしました。
「お世話のしやすさ」を踏まえた環境づくり
部屋で過ごしているときに、気に入って購入した植物がふと視界に入るというのはいいものです。鮮やかな緑色は、穏やかな気持を引き寄せてくれるし、目にもやさしい。
逆に元気のない植物がそこにいる時のショックは意外と大きいですよね。しおれている状態を発見した時は申し訳ない気持ちになりますし、自分の不甲斐なさも感じてしまう。
そうならないために注力したいポイントは、以下の項目です。
- 置き場所を見直す
- 鉢をよく見て決める
- 土を見直す
そりゃ当たり前なんですけど、これまでとは意識をワンランクアップさせました。
大事にしたいのは、人も植物にも過ごしやすい環境づくり。
室内で育てるにはできることに限界があるけれど、具体的に目指したいのは、
- いつでも視界に入るレイアウト。→土の状態を発見しやすく、水やりのタイミングを大切にしていきたい。
- 植え替えのタイミングを減らすこと→年イチから2~3年おきの植替えで済むようにしたい
の2点です。
植物を置くために部屋のレイアウトを考えると、空間にゆとりが生まれて居心地がよくなります。そのついでに土の状態を見えるようにして、水やりの時を見落とさないようにする。
植替えの頻度を減らすには、根がバランスよく張るように意識してやる。そのために鉢をちゃんと選ぶ、土の配合を考えていくことに注力しました。
置き場所をある程度決めてから植物を準備する
観葉植物にとって、一番大切なのは置き場所。日当たりと風通しの具合で、成長具合も変わってきます。
とはいえ植物の種類によって環境は好みがあり、なんでも四六時中、日光浴できればシアワセという単純な話でもない。耐陰性があるといっても、たまには明るい場所に置かないと細く間延びしていくし、理想的な形に育てる難しさがありますよね。
位置を変えずに同じ向きで置きっぱなしにしていると、葉っぱも明るさを求めて片側によってきます。窓際なら良いだろうと置いていても、うっかり気温が上昇して直射日光があたっていると葉焼けをすることもあります。暑いからといって、植物が勝手に移動してくれるわけではないのです。
バランスよく育てていくには時々配置を動かしてあげるのが理想的で、観葉植物の育て方の指南としてよく言われていること。だけど室内で育てるというのはスペースが限られてくるし、とりあえず床に直置きしちゃって、なんかごちゃつくことになるのを避けたいなーと思っていました。
そうならないためには、植物を置きたい場所のポイントを事前に決めておく。気に入った植物を買ってきてからなんとかするのではなく、お迎えする準備を整えてから買ってくるのです。
動物を飼う時と同じ感覚ね。
ちょうど4月後半から5月あたりにかけて、活き活きとした植物を買える時期なので、それまでに鉢を準備して、イメージしておきます。なんとなく春は部屋を模様替えしたくなるので、そのワクワクの状態で行うと気分もあがりますね。
我が家では採用している収納は壁面収納です。
スッキリと物が無い部屋は憧れるんですけど、仕事で使うものが多い上に、DIYやキャンプという持ち物が増えてしまう趣味を持ってしまっているけれど、6畳スペース+押入れの部屋でやりくりできているのは壁面収納のおかげ。
壁面収納を使ってDIYすると、棚の高さを自由に作り付けられるところがいいですよね。
そこに植物のための理想的な場所を決め、その場所に置くためにどのようなレイアウトで収納を作るかをよーく考え、先に置き場所をイメージできるので、賃貸でもいろんな飾り方を楽しめます。
今回は座る位置のすぐ横に緑を眺めることができるように位置づけました。植え替え直後は陽があたりすぎるのがよくないので、陽当りがマイルドな場所を作りました。根付いて安定したら南西向きのリビングに時々移動かな。
キッチンカウンターにも自作で柱を追加し、吊り下げで飾れる場所を作っています。
リビングの窓際に置く時は、キャンプの時に使っている折りたたみできるシェルフも便利に活用しています。
床に直置きすると掃除の時に寄せるのが億劫になるけれど、こうして上に載せていると通気もよくなるし、周りの掃除もしやすい。
他にも棚の上は、スッキリとさせておくように心がけたり頑張っています。
鉢の形をよく見て決める
鉢の形、結構重要です。
そう思うようになったのは、数年前にオシャレなプラ鉢を買って、余っていた培養土を入れてヘデラを育てて、失敗した経験から。今までそれほど鉢に悩むこともなく育てられていたのに、そのタイプの鉢が合わずにうまく育たず、株をいくつか枯らしてしまいました。
重厚な見た目がいいなーと思って使ってみたけど、水はけが圧倒的に悪く根腐れをおこしてしまったと思われます。
あまり元気のないヘデラをホームセンターから買ってきて一緒に植えてしまったんですが、ハダニもついていた葉っぱだったようで、ハダニ退治に苦労しました。厳しい環境に打ち勝って残ったヘデラは少なく、結果的に悪いことをしてしまった。失敗して初めて気づいたのでした。
水はけの良くない鉢を使う弊害
底が浮く構造になっていない鉢は、水がきれいに流れていかずに滞ったままになりがちです。
土が乾かないから水やりは減るけれど、古い水がいつまでもそこにいると、水も土も傷みやすいよね。
成長のために土に水は必要だけど、同時に酸素も必要なんです。普通の培養土だけを使っている状態で、何日も古い水を溜めているのは、酸素が入る余地がなくなるから思わしくないんじゃないかと推測できます。
そうならない土の配合と水やり方法があるっぽいけれど、経験豊富なプロの領域でなければ分からない世界。素人でもやり過ごすには、とりあえず鉢を選ぶことが最短で最良に近づける方法です。
おすすめの鉢は、こんなタイプ
素焼きの鉢は通気性がいいので私も最初の頃は使っていました。土も乾きやすいし、根腐れしにくいイメージがついていますけども、いかんせん重くて扱いにくいのがちょっと嫌。
最近はもっぱらプラ鉢を選ぶようになりました。軽量でいくつかストックしていても重ねてしまっておけますし。
形状はいろんなものがるけれど、私が好んで選んでいるのは、サイドにスリットが入っているタイプです。更に底上げされていると尚良し。
なるべく、鉢底が受け皿にベッタリとつかないタイプを選ぶようになりました。
水はけは土の状態も大事ですが、水が底からすんなり流れ出てくれる形状でないと中が蒸れっぱなしの状態が続いてしまう。サイドに穴が空いていると水の流れもいいですし、底の通気がいいと安心できます。
ちなみに複雑な形状のスリット鉢というのもあるのですが、これを使うと根の生育のバランスが整うとのことで、植え替えの頻度も減るし、植物もよく育つようです。
丸い鉢を使った植物の根っこは、鉢の壁に沿ってどんどん横に伸ばし、最終的に下に向かってひたすら伸ばしていきます。
多角形で側面にさらに凹凸のあるスリット鉢を使うと、根っこが伸びていって鉢の側面にぶつかった時に、根っこは伸ばす方向を変えるんだとか。イチ方向に定まることなく、土全体を這わせることができる鉢なのです。
土の栄養をバランスよく吸い上げながら成長するし、下に伸ばしていた根が横に伸ばすことになる分だけ、鉢底から根が出るまでに時間がかかるということになります。
しかもスリット鉢なら鉢底石を使わなくてもいいらしい。
スリット鉢に土を入れて、オシャレな鉢はカバーとして重ねて使うと植え替えもしやすいのでおすすめです。それならオシャレ鉢の穴の形状を気にせずに安心して使えます。
見えない土の中の根の状態がいい感じになっていれば、必然的に丈夫に成長してくれます。そうすれば、多少日当たりが良くなかろうとも育ってくれる株になるので、鉢選びはちゃんとやろうと考えるようになりました。
植え替え時の土を見直す
ずっと観葉植物向けの培養土を購入して使ってきてたんですけども、年々繰り返しているとだんだん土も増えていき、「古い土はどうするのか問題」にぶちあたります。
捨てるっていうのもなんだかその場所の環境を変えるような気がして気が進まないし、そもそも賃貸住まいだと捨てるって無理。
よって、
- 古い土も再利用していく
- 買った培養土だけに頼らない
という方向で、とうとう私は「土のブレンド」にチャレンジするようになりました。
赤玉土のブレンドをやってみる
いつもは「観葉植物専用の培養土」で済ませていたのですが、「赤玉土」も使うようになりました。
赤玉土は、黄土色の粒状の土です。
粒の大きさは小粒から大粒まで種類があるのですが、室内で育ちやすいとされている一般的な観葉植物に使うなら、基本的に小粒でいいのではないかと。
栄養素は含まないから、「挿し木にも使える」ということで、置いていてもマルチに使えるのはいいなと思って使い始めました。
挿し木も成功させてみたい・・!
培養土にブレンドする割合は1~2割程度が目安とされていますが、配合は使っている培養土の状態にもよるので、明確な量は決めかねます。でもブレンドの割合が多少多かろうと少なかろうと入れないよりは入れたほうが状態がよくなるのは間違いないと個人的には感じています。
さすがに赤玉土の割合の方が多くなると土の栄養分が足りなくなるので、限度があるけど。
比較的ふんわりした培養土を使う時はそんなにいれなくてもいいかなと思うけれど、黒土が多めの土の土だったり、ふわふわしてるけど保水性があまりない土もあるので、そんな時はちょっとでも足して使うとスーッと水が土に馴染むようになります。
水をあげた時に、新しい水が土にまんべんなく行き渡るのが理想的だよね。
3リットルの土でも全部使うわけでもないので、コスパはなかなりいい。
良い土を作れたら、きっと植物も生き生きと長生きできるはず。
良い土台ができれば丈夫に育つ可能性も高いし、丈夫な株は虫や病気にも負けにくくなる。そうすれば気にかける心配事も減ってお世話もしやすくなるよね、ということでした。
ちなみに、古い土も使っていくべく、再利用の方法もやってみるようになりました。そちらも後ほど書きます。
まとめ|自分に合う育て方がある
久しぶりに観葉植物のことを書きました。100均のポトスやカポックは初期メンバーから続いていますが、10年以上は過ごしてきたことになります。
現在元気にしているのは、シェフレラ(カポック)、ポトス、ドナセナジェレ、ヘデラ、ペペロミアだよ。
特にポトスに限ってはやたらと成長が速いのですが、水差しやハイドロもやっていて、どうすれば理想的な形を作れるのかが、だんだんわかってきました。
植え替えた翌日の朝に葉がピンとして、朝露が滴るところ、いいですよね。ポトスはこの瑞々しさがたまりません。
他の種類の観葉植物も育てていて残念ながらダメにしちゃって申し訳ないこともあったのですが、それでもなんとか育て続けていくと、自分の環境に合わせたやり方が必ずあるのだなあということが染みてきました。
最初はよく分からなくて「こうすべき」みたいな感じになっていましたけど、意外と最低限の環境が作れれば教科書通りじゃなくても育ちます。難しいのは、いい状態を維持することですよね。そればっかりは、試行錯誤していくしかないのかなと思います。
観葉植物とは長い目で向き合っていきましょう。
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