わが家のきりたんぽ鍋の作り方。

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秋田に住んでいて手がかじかむような季節になると食べたくなるのが、郷土料理きりたんぽ鍋。秋田にいると材料は手に入りやすいので、誰でも美味しく作れるようになります。これからの若い世代の方でも作れるように、定番の作り方を書いておこうかと思いました。

きりたんぽ鍋は贈り物用のセットがありますけども、材料が手に入るなら自分で作れるようになると「おもてなし」にも使えるので、秋田にいたら憶えておきたいメニューのひとつですね。

中にはあんまり好きではないという方も稀にいますけども、んー、そのへんは出汁の好みもありますし、ご飯潰したやつが苦手という場合もありますし、そんな時はうどんやそばでも代用できるのがきりたんぽ鍋のスープのいいところであります。

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きりたんぽ鍋に使う基本の材料

最近はいろんな味のきりたんぽ鍋があるんですけども、だいたい鶏ダシできりたんぽが入っていれば「きりたんぽ鍋」です。
お馴染みなのはやっぱり「しょうゆ」味。具材は以下の内容が基本形になります。

★6~8人分(3~4人分を2日で食べる感じ)

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・鶏ガラ(ダシ用) 1個

・鶏肉(モモ) 300g~
・マイタケ 150g~200g
・ごぼう 1本~2本
・糸こんにゃく 1袋(200gくらい。もっと少なくてもOK)

・ネギ 2本~
・セリ 1把~

・きりたんぽ(好きなだけ)・・・市販のものは1本につき、ごはん茶碗で軽く2杯分に値します。3人分なら6本もあれば十分かと。意外と食べられるのでウチでは最低10本は用意します。

きりたんぽは杉の棒を持っている家庭なら手作りするお家もありますが、買ってきても問題ありません。専門店で買うもよし、秋田県内であればシーズンになるとスーパーでも手に入ります。

この他、油揚げや焼き豆腐を入れる場合もあります。こってりしたスープが好みなら鶏モツを入れたりもしますね。置いてるお店は限られてきますが。

鶏肉は通常はモモ肉を使いますが、お好みでムネ肉をまぜてもいいです。ただ、ムネ肉は煮込むと硬くなるので、ムネ肉を入れる時は薄く切って食べる直前に入れた方がよいと思います。煮込んでガッと食べたいときは、無難にモモ肉を使いましょう。親子丼なんかで使う大きさに最初からカットしてあるお肉でも大丈夫です。

また、鶏ガラでわざわざ出汁をとらずとも、「比内地鶏スープ」とかの濃縮ダシスープを使うとかなり手軽です。

もし市販のスープ使うならダシを取るよりもあっさりしているものが多いので、入れる鶏肉はちょっといいものを使った方がぐっとおいしくなります。

また、手羽元を鶏肉代わりに使ってダシもとってしまおうという荒業も実家では行っています。見た目はちょっと違うものになるんですけども、まあ家で食べるならアリかな。

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鶏ガラは若鳥の方がさっぱりとしたダシになります。しかも安い。場所にもよりますが、だいたい1個50円くらいで買えます。写真で用意しているのは、ちょっとだけいい鶏のやつです。

いいお肉の鶏ガラほどやや高めではあるんですけども、濃い目のダシがとれるんですよね。例えば秋田県の比内地鶏の鶏ガラはこの鶏ガラの倍のお値段がするわけですが、高いだけあってダシの濃さが半端ないです。濃厚でコッテリが好きな場合は、具材のお肉は少量にしてでも、ぜひ地鶏をお使いいただきたいと思います。

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きりたんぽ用意するのが面倒な時は、ご飯を潰して丸めた「だまっこ」で済ませる場合もあります。写真は押し麦入りの御飯で作って冷凍したやつなんですけども・・・

あったかいご飯に片栗粉を少し入れて半殺し(ご飯粒がまだ残るくらいでお餅のようにつぶしていく)にし、3㎝くらいの大きさで丸めて濃い目の塩水にくぐらせれば、だまっこの完成です。塩水にくぐらせるのは、味が染みやすくなるのと荷崩れ防止です。

同じ県内でも「きりたんぽ」よりも「だまっこ」の方が作る機会多いところもあるのですが、お好みで作ればよいかと思います。「だまっこ」だと余ったご飯さっと作って冷凍しておけたりするので何気に楽なのですよ。なんとなく、「きりたんぽ」はごちそう的イメージかもしれませんね。

わが家では初日は「きりたんぽ」で食べて、次の日は「だまっこ」、または「うどん」でかさましを図り、最後のスープまで残さずきっちりきれいに頂きます。

ダシも自分でとればそれなりの手間がかかるので、一気にたくさん作って数日にわたって食べるのはデフォですけども、おもてなしで振る舞うにしてもたくさん作るから美味しいっていうのはありますからね。

具材は煮込むほどにクタクタになりますけども、2日目のしんなりしたところもまたいいのですよ。

糸こんは少ない分量でも構わないですが、鶏肉やマイタケ、ゴボウからはいいダシが出ます。きりたんぽ鍋のメインはきりたんぽですが、ここで具材をケチるとぼや~っとした鍋になってしまいます。ゴボウは細いものなら2本使ってもいいですし、特にマイタケは1パックと言わず小さいパックなら2パックはほしいですね。

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圧力なべでダシをとる。

まずは、鶏ガラでダシをとることから始めます。
コトコト時間をかけて煮出してもいいんですが、私は一気に圧力鍋でダシをとっちゃいます。

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鶏ガラは表面を流水でしっかり洗って汚れを取り除き、ネギの緑色で硬い部分を一緒に入れます。野菜を切るついでにネギの青いところをよせておくと無駄なく使い切ることができますし、鶏独特の臭み消しにもなりますよ。

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水の分量ですが、ちょっといい鶏ガラを使う場合は、私は3リットルくらいまで水を入れて、半分は冷凍し別の料理に使うようにしています。安く手に入る若鶏のガラの場合は、多くても1.5リットルくらいの水の分量できりたんぽ鍋だけで使い切るようにしてます。濃厚さを求めるなら、水の分量は控えめで作るか、鶏ガラの量を増やすかですね。
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圧力鍋のフタをして、シュッシュッシュ・・・と音がしてきたら少し火力を弱めて更に5分ほど火にかけます。時間が来たら、火をとめてフタが開けられるようになるまで放置。
(圧力鍋の性能によって加圧時間は変わってくるので、お使いの鍋の説明書をご確認ください)

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蓋を開けると鶏ダシができてます。

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アクを取り除き、ネギと鶏ガラを取り出します。黄金色になっていればダシがとれてますよ。ぜひ、ここで一口味見してみてください。最初はなんのことかわからなくても、ダシの味を覚えて繰り返し料理をしているとだんだんどれくらいの調味料を使うのがいいのか把握できるようになってきます。次作る時のための勉強になっていくのですよ。

で、私は多めにつくたっ時はこのうちの半分をとりわけて、冷凍してます。ダシさえとっておけば他の鍋にも使えますし、シチューに使ったり、これでラーメンスープを溶かすのもいいので。

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きりたんぽ鍋のスープを作る時の手順。

ダシを取っている間に具材の準備をしておきます。鶏肉は一口大にカットし、

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ゴボウはささがきにして水にさらしておきます。

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マイタケは手で割いてほぐしておきます。

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糸こんにゃくは適度な大きさの切って、においが気になるようであればレンチンして臭みと水気をとっておきます。

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ネギは大きめに斜めにカット。

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セリはよく洗って、5~6㎝にカット。ちゃんと洗えば根も全部食べられます。お客さんに出すときは入れないですけど、自宅用は入れてます。

きりたんぽは、2等分~3等分に切り分けておきます。よく観光用の写真では斜めにカットされたものを見かけますが、斜めに切ると荷崩れしやすくなるので家で食べるならぶつ切りで大丈夫です。もしくは手で引きちぎってもいいくらい。むしろ、手でちぎった方が味がしみておいしくなります。

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鶏ガラでとったダシに鶏肉とゴボウを入れ、

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ひと煮立ちしたら、マイタケと糸こんにゃくを入れて味付けします。

分量はだいたい鶏ダシ1.5リットルの場合、

・酒 お玉で1杯
・しょうゆ お玉で2杯~
・砂糖・・・小さじ2~

これくらい入れたらいったん味見をして調整していきます。

味付けのポイント。

その家によっていろんな味付けがありますが、我が家はスッキリ&コクのある味わいを目指してます。
ダシが濃い場合は、本当にシンプルな味付けでおいしくなりますし、ダシが薄いとどうしても他にいろいろ足したくなってくるんですが・・・

鶏のダシだけでは飽きがくる味になってしまうので、「白だし」かイワシやアジの「煮干し」を少し入れてダシを足すのも味が引き締まります。
魚のダシが少しブレンドされるとすっきり食べやすい感じになるのですよ。煮干しを入れる場合は、数分つっこんだらすぐに取り出すだけで大丈夫です。

ここで醤油味というとついつい麺つゆを使いたくなるのですが、昆布やかつおダシが強すぎるのか麺つゆを入れるとせっかくの鶏のダシが弱くなってしまう気がします。
みりんを使うと、煮物感が出てしまうので私は使いません。醤油の角をとるなら、砂糖と酒を少量ずつ入れて調整していきます。醤油が強すぎるようであれば塩ですね。

あと、最後にネギが入るので、ネギからも「甘み」がでて柔らかい味にちゃんとまとまります。この時点でちょっと濃い目かな~?くらいの味付けにしておくとちょうどいい頃合いになります。

作ってすぐに食べない場合は、ネギとセリときりたんぽは入れない状態で置いておくといいですよ。早めに作って、冷ましつつ少し寝かせた方が味にまとまりができておいしくなります。

ちなみに、この段階であったかい「そば」にもよくあいます。年越しそばはこのつゆでそばを食べ、正月はこのつゆで「雑煮」を食べる。そんな代用ができます。

美味しく食べるために。

食べる直前でお店のように土鍋に具材を入れて煮込んで食卓へ出すと特別感がでますが、普段のごはんなら大鍋で直接作っても何の問題もありません。

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そろそろ食べる時間がやってきたら火にかけて作っておいたスープを煮立たせ、ネギを投入します。

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次にきりたんぽを投入。すぐにしんなりと柔らかく見た目もふんわりとしてくるので、長く煮込む必要はありません。

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ぐつぐつ煮立ってきたら、セリを入れて火を止めます。セリは余熱で十分柔らかくなります。むしろ生でも食べられます。あんまり煮すぎるとせっかくの香りが飛んでしまうので、このタイミング重要ですよ。

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火を止めたらお椀によそって、熱いうちに食べましょう。日本酒は冷やがよく合います。子どもはがっつり、大人はしっぽりといきましょう。

きりたんぽ鍋は家庭の味なので各家によって作り方に多少違いはあれど、だいたいこんな感じの作り方です。

ウチではみんな大好きなので、冬場は定期的にやります。冬だからたくさん作って置いておいても傷みにくいっていうのもあるんですけど、作り置きする場合はできるだけ冷蔵庫、もしくは保冷できるクーラーボックスを活用してお腹壊さないように気を付けないとですけどね。

さむ~い日にアツアツのきりたんぽ鍋は最高です。将来子供が自立して家を出て、時々家に帰ってくる時は美味しいきりたんぽ鍋作ってあげたいですね。

 

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